私自身が破産手続きを進めていく中で、普段から事業を営んでいるときにこうしておけば良かったと思った事や、事前に準備しておけば良かった事などをまとめました。
役員報酬について
家族経営や小規模の会社を運営している社長は、妻など家族を役員にしている事も多いと思います。
社長は会社の借入金の連帯保証人になり、資金繰りが厳しい時は個人の資産を会社に入れる為に、社長自身の報酬を高くしておき、いざという時の為に貯金をしている方も多いと思います。
しかし、社長自身の報酬が高いと社会保険料や税金など結構な額が引かれます。
私の会社は妻を役員にしており、役員報酬は扶養の範囲内でした。
今思えば、妻の報酬を高くしておいて私自身の報酬をもっと分散しておくべきでした。
社長はどんなに稼いで貯金を蓄えたとしても、会社が倒産すれば連帯保証人である社長の資産はほんのわずかな現金を残して没収されてししまいす。
妻に自身の報酬を分散する事で、結果的に所得税、社会保険料、住民税など様々な税金関係が抑えれ手元に残るお金は増える事になります。また、いざという時には妻の財産は守られるため破産後の生活資金の確保にもなります。
よく「資産運用はリスクの分散」と言われます。
それぞれのあらゆるバランスを考えながら、役員報酬の配分に対しては検討してみるべきだと思います。
家族名義の資産にしておく
倒産し、社長自身も自己破産をすると自分名義の資産は破産管財人により現金化されてしまします。
家族の大黒柱でもある私自身は、普段の支払いや買い物や各種ローンなどほぼすべて私名義の契約やカードを使用していました。
社用車とは別に自家用車を保有しローンを組んでいました。
私自身が破産すると、もちろん没収されます。
この事から、上記で記載したように妻の役員報酬を上げて妻がローンを組んだり、現金一括で購入していたら妻名義の車になります。こうしておけば、家族との思い出が詰まった車を残せました。
また、趣味や高級家電などにお金を使う家庭であれば、これらも妻が購入した履歴があると残せるようになります。
自宅については、妻名義で購入するのはそこそこのハードルが上がりますが、可能であれば自宅も守る事が出来ると思います。
ここで気を付けておくのは、旦那の収入を妻名義の口座に頻繁に移していたり、お金の出処が曖昧だと破産管財人に否決される可能性がありますので、妻と自分のお金はハッキリと分けておくことをおすすめします。
家族カードを作っておく
自己破産するとクレジットカードは没収、10年近くは作れなくなります。カードに紐づいていたETCカードも同じです。
私の会社は妻も役員にしていた為、倒産すると2人共無職になります。
無職だと自己破産をしない妻であってもクレジットカードを新たに作るにはハードルが上がります。
事前にクレジットカードを妻名義で作成しておき、家族カードを作っておけば私が自己破産してもその家族カードは没収されません。
今の時代、クレジットカードが無いのはかなり不便なのは皆さん承知の通りかと思います。ネットや普段の買い物等、キャッシュレス社会です。
私自身法人・個人で複数のプラチナカードやゴールドカードを持っていました。見栄も欲しくて、一生懸命クレジットヒストリーを磨いてやっと手にしたステイタスカードもあえなく没収となるのです。
クレジットカードが無いと何かと不便な世の中ですので、事前に家族カードを作っておくことは後の不自由ない生活に大きく役立つ事となります。
ポイントは貯めておく
クレジットのポイントや普段お買い物しているお店のポイントなど、あらゆるお店でポイントサービスを設け、顧客の囲い込みをしています。
破産した時、現金は99万円以上は没収されます。しかも、しばらくは収入が無く家族名義の貯金や収入をあてにして生活する事となります。
その時に、日常のお買い物で役立つポイントは貯めておいた方が良いでしょう。
‟本来”はポイントも資産として申告しなければいけません。それも含めて99万円を超えると没収されます。私の場合は残った現金も破産手続きで残額が無かったので、ポイントはそのまま保有していました。
家電量販店やドラックストア、妻名義で購入していたスーパーのポイントなど、これらのおかげで相当救われました。また、クレジットカードのポイントで交換した商品券などにも子供の衣料品購入などに使えました。
いざという時の為に、これも家族名義でポイントは使わずにひたすら貯めておくのも良いかもしれません。
消耗品は日頃からストックしておく
私は以前に自然災害に遭い、停電を経験しています。
その時に感じたのは、地域一帯が同じ災害に遭うと全ての人が買い物難民になる事です。お金があっても、商品が無いのです。その時に欲しいものはみんなが同じです。お客さんが殺到してすぐに売り切れます。オイルショックの時もそうですが、世の中の情勢によってもトイレットペーパーが売り切れたりしています。
この経験をもとに、私は非常食・電池・飲料水・ティッシュ・トイレットペーパー・シャンプーや石鹸類、台所で使う様々な用品や洗濯用品、さらにはお米は玄米で数十キロなど、様々な非常食・消耗品はかなりの量をストックしていました。
災害時に準備していたものが、皮肉にも破産後の生活に役立ちました。(ある意味家族にとっては災害と同じですが)
しばらくは消耗品にお金が掛かりません。これは、その後の生活に非常に大きな助けとなります。